元々の曲名は「15の変奏曲とフーガ変ホ短調 作品35でしたが、低音主題をベートーヴェンのバレー音楽「プロメトイスの創造」の主題動機から取り上げていて、同じ主題を、「英雄交響曲」の終楽章のフーガに使用したこともあって、後に「エロイカ変奏曲」と呼ばれるようになりました。
通奏低音のような低音主題の上に様々な動機的素材が組み合わされ、縦横無尽にピアノの演奏技巧が駆使されていて、その中に彼の精神性、抒情、悲哀、英雄的抒情詩を垣間見ることができます。
このピアノ曲から、やがて壮大な「英雄交響曲」へと発展していくベートーヴェンの創作過程を伺い知るのは大変興味深いことです。
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